3のニ乗は600族

小説やアニメが好きな人の日記みたいな何か

今更感が拭えない自己紹介


サムネ用

ども、あるふそーるです。今更感はありますが自己紹介記事を書きました。あくまで自己紹介なので客観的なものではありませんが「これを読めば@alphsoru993 が普段どんなツイートをしているのかわかる」を目標にして書いたのでよければ見ていってください。

※時間たってかなり変わってしまってるのでちょっとずつ修正してます。まぁ大体は同じです(26年5月現在)

まず初めに


著者近影(大嘘)
アイコンに版権キャラ使いたくなかったので作った

 都内で一人暮らしやってるぽたくです。インターネットでは「あるふそーる」って名前で活動してます。多分世間一般からするとオタクに入るが、オタク全体で見ると全然オタクとは言えない、くらいのオタクでしょうか…?
 HNの由来はポケモンXYの頃からお世話になってる色サザンドラにつけたニックネームです。「アルフソウル」って当時の自分としても痛いのは自覚してて、あくまで仮名としてつけたつもりだったんですけどね…

よく話題に出すもの

読書

 月七冊程度、基本的に小説ばかり読んでます。”ラノベっぽい一般小説”をよく読むようなそうでもないような…と、言いつつも気になったらジャンル問わず割と何でも読みます。

 特に好きな作品は森見登美彦「四畳半神話大系」、野﨑まど「タイタン」、貴志祐介「新世界より」、山本弘「アイの物語」の4つでしょうか。四畳半は後述しますがアニメの方も好きです。


ちょっと前面白そうなので作ってみたやつ。思い出の一冊だったりシンプルにこれは面白い!と思った一冊だったり。

アニメ

 一日一話なにか観るのを日課にしてます。基本的には

・広義のオリジナルアニメ
・2クール以内で綺麗に完結しており、後付けの続編等が存在しない
・主要キャラが女性で固められていない

辺りの条件を満たす作品を中心に見ています。コメディ系等例外もありますが、物語をどう着地させるか、そこにどうやって持っていくかという部分が一番見たいので、キャラ増やしてダラダラ続けたり続編の余地を残して終わる作品があまり好きじゃないんですよね。

 今まで見た中だと、”夢よりも身近な幸せに目を向ける”という考え方に感銘を受けた「四畳半神話大系」、平成オタク文化的なサムシングをメタ視点で再構成する作風がぶっ刺さった「恋愛フロップス」、最終話の超展開があまりにも唯一無二で笑い転げた「正解するカド」の三本が特に印象深いです。次点で「アポカリプスホテル」と「ケムリクサ」でしょうか。


好きなアニメトップ10…って程厳密なやつではないけどそんな感じ。

ポケモン

 本編はほぼ全部プレイ済みで、一番思い入れが深いのはBW2です。BWもそうですが、異なる考えへの理解を意識した”白黒”つけない結論に持っていくのが凄く好きです。あとはSVも終盤のストーリーが強すぎてBW2に負けず劣らず好きですね。

 察しがついていると思いますが、一番好きなポケモンはサザンドラです。闇属性の三つ首ドラゴン、かつ実質BW/BW2のラスボスという厨二を詰め込んだかのようなキャラがぶっ刺さりましたね。長年お世話になってるポケモンだけあって、エリアゼロでテツノコウベを初めて見た時の感動と言ったら…

 ちなみに対戦戦績は七世代シングル最高最終2071、ウルトラファイナル最終13位、八世代竜王戦予選最終36位とかそんな感じです。第八世代以降はちょっと生活スタイルとあわなくてたまにやってる程度ですね…


陽キャの文化に慣れてない

その他

・Twitterは「誰もが見れる個人的な日記」という認識で使っています。

・”面白くなかった作品”含め感想は正直に呟くタイプのアカウントです。

・Twitterは基本1~2週間に一度くらいの感覚で浮上します。スマホからは一切見ないので反応等遅れる可能性があります

・Q.なんでアカウント名「あるふそーるAI」なの?
 A.「あるふそーる」は死んだから。あとは何となくわかるね?



最後に

 自己紹介とか何書けばいいのか分からないで冗長な部分も多かったと思いますが、ここまで読んでくださりありがとうございました。自己紹介って案外難しいですね。

 そうそう、一度きりの人生色々やってみたいなって思ってるので、ジャンルに囚われず”面白そうなこと”を楽しんで、それを呟いてるフォロワーさんいっぱい欲しいな~って思ってます。僕自身”薄く広く”なオタクなので、色んな情報が欲しい!…ってのが正直なところ。

 なんかゴチャゴチャ色々書きましたが、気軽にフォローしてもらえればうれしいです。おわり。

虹色エイリアン/入間人間 感想

 宇宙人と出会ってしまった人たちの短編集。ファーストコンタクトものとしては宇宙人が地球の文化に近すぎかな?と思わなくもないけど、ちょっと不思議で笑いあり涙ありな一期一会な物語として楽しめた一冊だった


 SF(すこしふしぎ)なひと夏の出会いと別れって辺りは共通しつつもそれぞれの関係性は全く違う感じなのが面白い。読後感的には「瞳が虹に満ちれば」のカナエとカニャエのそれがかなり好きだけど、関係性的には「ガンメタル魂」の俺とエイリアンの一言では言い表せない絶妙な距離感が一番好き。
 でも「まっしろないのち」のキャラ濃い二人の掛け合いも面白かったし、「僕たちに相応しき星の上で」 の王道ボーイミーツガール的な展開も捨てがたい。「僕たちに相応しき星の上で」はもう少し詳しくやってほしかった感は否めないけど、謎を残したまま終わるって辺りもそれはそれで。


 そして短編集といえど全編同じアパートで繰り広げられるだけあって、そこってそうなってたのねーって感じの群像劇的な楽しみ方もできるのがニクい。特に「まっしろないのち」は主人公の猿子が他の部屋の宇宙人を認識していて、前編2本の答え合わせのような面が強いのも良かった。
 加えてその「まっしろないのち」で残った謎を最後の「僕たちに相応しき星の上で」 で拾っていく、と…エピローグ除けば四本なのに口絵ではカニャエ、エイリアン、ボストンの三人しか描かれてなかったのはそういうことかと。


 総じて、ちょっと不思議な出会いと別れってテーマからいろんな方向で楽しませてくれて、それでいて話が繋がってるから一本読み終わった!という読後感も味わえる良い作品でした。なんというか、こういうラノベでありつつも分かりやすいバトルや恋愛に走らず外連味を抑えた感じの作品好きだな。


余談
 「いもーとらいふ」の謎の女の子とエビがこの作品由来って話から手に取った一冊なんだけど、改めて「いもーとらいふ」の話を見返すとがっつりこの話のこと喋ってて面白い。にしても申年生まれだから猿子って…

誰ソ彼ホテル 感想

 色々惜しいけど世界観や設定はかなり魅力的な作品
 原作がADV的なゲームだったと聞いて一部の話の薄さやこういう終わり方をしたって部分に納得感はある


 やっぱり世界観というか設定といいますか、そういう部分がかなり強い。ファンタジーでありながらもこういう落ち着いた良さのある作品好きな人はめっちゃ好きだろうな~って感じの世界観してる。死んだか分からない人が来て自分の記憶を取り戻すためのホテルって時点でもう面白そうだよね。
 そこに連続殺人鬼である大外が加入し、さらにこのホテルで人を殺すと地獄行きが確定してしまうってルールが物語に緊張感を持たせている。実際大外が記憶を取り戻して、客に人を殺すよう誘導する4話やストーカーとその被害者がセットで来場した5話は、こういう作品にありがちな「いい話」だけでは終わらせない、ハードな部分を見せてくれてかなり良かったと思う。


 一方で6話~9話は…正直ありがちな「いい話」としか言いようがなくて、4話や5話のそれと比較するとかなりガッカリ感が強かった。その話限りのゲストキャラクターを扱う以上仕方ない部分はあれど、ここもう少し何とかならなかったのかな~という感情はある。これも原作だともう少し深堀りした話を見れるのかな?


 オチについては音子が大外を意図的に地獄行きにするって展開だったのはちょっと意外。音子が”やる”側の人間であることは示唆されていたとはいえこういうことになるとは…
 元々連続殺人鬼だし意図的に客を地獄行きにしていたから因果応報とはいえ、音子プロデュースのミニライブのピアノを担当したりと、単なる悪人とは言い難いキャラクターだったから少しかわいそうとは思う。この辺りも原作だと大外が救われるルートがあったりするのかな?


 キャラについてもちょっと触れておくと、やはり主人公の音子と大外が印象深い。音子はダウナー系の大人しい子かと思ったら声は独特でやたらと行動力あるし、ドルオタなのも合わせてかなり個性が強い。推し活限界オタク的な部分はあんまり好きじゃないけど、いい意味でこの作品の顔としてインパクトのあるキャラクターしていたと思う。
 大外は連続殺人鬼でありつつもホテルのルールがそれをマイルドにしていて、音子とのライバル的な関係が見ていて楽しかった。彼については救われてほしかったけど普通に殺人犯だからしゃーないか…
 支配人も人間らしい部分とホテルの番人としての厳格かつ平等な部分が合わさってて地味に好きなキャラクター。この人に「誰にも人の命を奪う権利はない」と言わせつつも音子がそのラインを超えてしまったって部分に塚原音子というキャラクターが表れているのだろうな、と。


 総じて、惜しい箇所はありつつもかなりポテンシャルを感じたアニメでした。雰囲気の良さはよく出てたから、その惜しい部分が原作ゲームでは補完されているというのであればいい販促アニメになってたんじゃないかと感じる。


余談
 25冬だからアポカリプスホテルの一期前らしい。どちらもホテルに来たお客様を中心に話を回す作品である一方で、片やおもてなしするのは宇宙人、片や生死不明の人間が記憶を取り戻すお手伝いをする…と、結構違うよなーと。どっちも殺人回があるのは何なんだよ。

シロナガス島への帰還 感想

「ちょっと期待しすぎた」と「この値段でこれを遊べるなら十分過ぎる」両方ある。
一冊のミステリー小説に外連味の強い要素を入れて、万人が楽しめるADVの形にした作品といった印象


・出雲崎ねね子のキャラクター
 間違いなくこの作品のいちばんの見どころだと思う。風呂入ってない体臭やばい服臭い口悪い腋毛そのままとメインヒロインなのに極めて癖が強い。すべてを汚くしたマンハッタンカフェ。
 仮にいちソシャゲのキャラだとしても割とギリギリなのに画面に映っている時間が一番長いキャラクターがこれってのもなかなか尖ってると思う。加えて完全記憶で妙に詳しい雑学を急にぶっこんで来るし、逆にそれが問題解決に繋がったりと、全体的な存在感を考えるとこの作品自体が出雲崎ねね子の為に作られた作品と言っても過言ではないと思う。
 元々根暗系のキャラクターは好みであるけど、 かわいいのは見た目だけでどっちかというと面白いキャラクターという印象だった。平気でうんこうんこ言うのすき。


・ミステリーとして
 かなり親切だと思う。冒頭のセリフもそうだし、スピリタスをわざわざ「ほぼアルコールのようなもの」なんていうからには燃料として使ったのはなんとなく見当が付く。それでいて完全に予想がつくかといわれると少し難しいラインで、多少強引な部分もあれどミステリーとして十分楽しめる作品だと思う。アルコールの炎って透明なんだね…(無知)
 ただ、爆弾処理については強引にゲーム的な要素を入れようとした結果半端になってるというか…物語を楽しみたいのに急に面白くないミニゲームやらされてる感じがあってあまり好きじゃなかった。特にラストの「Aurora」から「アウロラの青いリボン」を連想して青コードを切るって場面、普通に「オーロラ」って読めるから「オーロラの色ってなんだっけ…?」ってなると思うし、制限時間は短いしでかなり理不尽に感じた。


・良くも悪くも王道
 エンタメとして面白くはあったが、シロナガス島の真実については期待した割には使い古された設定が出てきたなというのが正直なところ。孤島で何かしらの非合法的な研究や取引があった痕跡がある、からお出しされるものとしてはあまりにも直球すぎる。
 一応仮想世界関係に関してはこの手の作品としては珍しいとは感じたけど、ジゼルの過去を辿る舞台装置として雑に消化されちゃった印象が。匂わせの段階から期待してて、もっとこれ使って大胆などんでん返しが来るものかと…
 黒幕のヴィンセントにしても超大物声優(中田譲治)使ってる割にはかなりの小物、かつありがちなキャラクターで大した魅力を感じなかった。目的が抽象的すぎるし、たかだか不老不死とシロナガス島の悪魔程度で世界をひっくり返せるとは到底思えないのも小物っぷりに拍車をかけていた。
 逆に言えばエンタメとしては王道を通っているということでもあり、文句いいつつもサクっと駆け抜けてしまえた程度には面白かったのは事実。地下室が出てきた辺りのワクワク感は文句なしだったし、「破綻している」というよりは「物足りなかった」「遊ぶ前のハードルが高すぎた」だから及第点ではある。


・EXTRAについて
 あくまでキャラクターを楽しむための話といったところ。 後日談で何らかの本編の補完がある、あるいは後日談単品で楽しめるミステリー的な何かを期待したから、軽く楽しめるコメディとちょっとしたホラーの詰め合わせってのはかなり肩透かしだった。CGギャラリーからある程度のボリュームがあるのは分かってたから、しっかりとした「面白い話」を期待してたんだけど…
 ぶっちゃけこの作品ってねね子と主人公の池田以外はありがちなキャラクターしてて(一般小説筆頭にサブキャラの個性が薄くても面白い話はいっぱいあるのでこれ自体は問題ない)、こういうキャラクターありきの話をやるなら本編でもっとアレックスとアキラの肉付けをした上で入れてほしかったところ。正直本編は十分面白かった一方でEXTRAはあまり好きになれなかった。洗脳ねね子はすき。
 いやまぁ、番外編に何を期待してるんだという話ではあるが…(これはクリア後ストーリーで爆弾投下してきた「さささぐ」を基準にしてしまってるのが悪い)


 総じて、ねね子の強烈なキャラクターにやや詰めが甘いSF面とアニメや漫画的な要素は強いものの、ボリューム的にも読後感的にも総合的には一冊のミステリー小説を読み終わったかのような感じ。導入は明らかに「そして誰もいなくなった」パロだしね。
 物足りない部分はあれどこれが文庫本と同等の値段で遊べるって思えば十分すぎると思う。手軽に遊べて面白いADVという括りであれば自信をもって人にお勧めできるタイプの作品でした。


余談
 あのころのインターネット的な雰囲気あったから2000年代、遅くても2010年代初頭の作品だと勝手に勘違いしてたんだけどリリースが2018年と聞いて驚いた。
 「わんわんお」みたいな匿名掲示板発の文化、2010年代後半だともうかなり古いものとして扱われてたような…まぁでも嫌いじゃないよ、というか好き。

“文学少女”と月花を孕く水妖/野村美月 感想

 特別編と言いつつも5巻の後、7巻の前として出すことに大きな意味がありそうな一冊
 事実だけ並べれば悲劇でも遠子先輩の「想像」によって温かな物語に思えてくるところに「文学」の力を感じる


 ラスボス戦みたくてんこ盛りだった5巻でもそこまで絡まなかった、けど2巻で家族がらみのいざこざが示唆された姫倉先輩をこういう形で回収してくるかーといったところ。まぁ血筋や家の問題なら夏休みに別荘に連れ込まれて…という形になるのは確かにしっくりくる。
 恥ずかしながら元となった泉鏡花については全く存じ上げなかったのだけど、この話の前日譚である2巻と同じく悲劇に思えるような話から、解釈を膨らませて心が温まるような話が出てくるところに相変わらずすごさを感じる。にしてもそういうオチになるとは…


 「美しい夢は、目覚めてからもずっと、心の中に物語を残すのよ」やはりなんといっても遠子先輩のこの言葉、そしてそこから浮かび上がってくる本当のゆりの姿がいい。物語のパワーといいますか、やっぱり小説に魅せられた人間としては共感するものがあるし、ミステリー的な要素で外堀を埋めつつもそれを証明するような着地をしてくるのが美しい。


 そしてここまでの5巻でも割とそんな感じだったけど、心葉と遠子の仲のいい姉弟のような関係って部分が結構強調されていたように思う。特に今回は舞台が学校じゃなくて夏休み中の別荘で私生活的な面が出てたからそう感じるのかな?寝相悪いんだね…
 一方で遠子先輩、消えるのか…?とでも言わんばかりに不穏な要素もちらほら。文学少女らしからぬ自由人やってた遠子先輩がここにきて切ない文学少女っぽい雰囲気を出していることに若干の面白さを感じつつも、最後の最後に待ち構える次巻への期待が膨らむ。


 総じて、文学の良さを出しつつも、時系列以外はそこまで番外編感のない、むしろ本編に繋がるであろう一冊といったところ。正直元ネタに完全に馴染みがなかったから少し難しいところはあったけど、それでも面白かったです。

さよならララ 感想

 順当に「人魚姫の続き」やってるアニメという印象。絵柄こそ独特だけど慣れれば気にならないし、物語はある程度きれいに纏まってると思う
 ただ正直に言えば「半端にシスターフッドへ足突っ込んで無難にまとめた作品」という印象も


 悲劇に近かった原点を下敷きに、改めて現代風にアレンジしたエンディングの話をやろうってあたりは最近見た「超かぐや姫!」と似てるかもしれない。問答無用のハッピーエンドへ一直線(あれは一直線すぎるけど…)ってのがあちらなら、凝り固まった価値観からの解放ってあたりがそういう感じする。


 ただ、原点の人魚姫から一歩進めて改めて「本当の愛」を定義しようとする…って前半部分の期待から、結論が「本当の愛なんていらない!!!私は私が居たいと思える場所に居たい!!!」なのはちょーーーっと煙に巻かれた感じがある。
 「本当の愛を探す」という使命から解放されるまでの話なのは先述した通りだけど、様々な人間との交流を通して単純な男女関係や同性の友情だけでない「本当の愛」に近づいていたとは思ったし、オリジナルアニメならそういう抽象的な部分をきっちり定義してバシッと決めてほしかった。
 展開的には王子様(ルカ)との愛より茉里との友情のほうが尊いとでも言いたい節がある一方で、散々言及された「本当の愛」の定義からは逃げるってあたり「無難だなー」って思ったし、だから逆に語ろうと思っても正直あんまり語りたいことが出てこない。これが明確に「茉里との友情が本当の愛です!!!」って言われてたら”そういう作品”として自分の中で処理できたのだけど。


 あとはその流れで言うと「王子様との恋」を踏み台にして茉里との関係を重視するって流れの弊害でルカが半端な当て馬のような立ち位置になってたのもかなり不満。
 弟のレオくんと合わせてかなり高いポテンシャルを秘めたキャラクターしていたと思うし、「本当の愛」を急ぐあまり…というのも先の展開に期待を持てるものだったから、告白した段階からもっと彼とララの関係を深堀りしてほしかったというのはある。
 というか人魚姫という男女の愛を描いた物語をベースとしてそういう王子様ポジションのルカを出しつつも、終盤でルカを置き去りにして茉里を特別扱いしてしまう辺りが安易なシスターフッド(百合)感を出してしまってる気がする。ここは僕自身百合がそこまで好きじゃないってのも大きいけど。


 まぁこういう感じで作品全体の流れには結構不満があったけど、前半の一話完結の日常回は結構好きだった。アルバイトで働くことを知ったり、ルカと人並み(?)の恋愛をしたり。そういうところで期待が積み重なってたからこその肩透かし感…というかNot for meのほうが正しいか?そういうものがあったな。
 シスターフッドの方向へ持っていこうとしているように見える割には「本当の愛」の定義は避けるし彼氏のルカくんが面白すぎるっていう部分がチグハグなんだよな。こういう着地をするなら茉里とルカは同列に扱うべきだったと思うし、一方で茉里とのシスターフッド全振りにするならルカは当て馬に徹するべきだったと思う。
 このあたりが最初に言った「半端にシスターフッドへ足突っ込んで無難にまとめた作品」って感想に繋がってくる。無難に、というのはもっと言えば「オリアニなのに尖りきれてない」とも。
 

 総じて光るものはあったしそこそこ楽しめた一方で、ちょっと合わない部分もあったオリジナルアニメでした。なんというか、色々中途半端。


 …これは完全に余談なのだけど、正直に言うと「異性への好意は汚い、同性の関係は尊い」みたいな価値観はあまり好きじゃないので、超かぐや姫!(かぐやガチ恋勢が完全に排除すべき存在として描かれている)といいこういう思想がチラつく作品が増えるのは個人的にはやめてもらいないな〜という感情もある。
 異性へ「好き」を伝えるのはとても勇気がいる行為、かつ性欲との結びつきは避けられないので、それを忌避する現代オタクの気持ちはわからなくもないですが…でもそこで百合が出てくるのって傷付くことからの「逃げ」に見えるんですよね。

オレ達バブル入行組/池井戸潤 感想


 シンプルにエンタメとして面白い。無論現実基準だとそんな極端な…と思うところはあるけど、社会派エンタメとして分かりやすい勧善懲悪で敵も味方も濃いから見ていて楽しい
 にしても半沢直樹とかいう男、「倍返し」の決め台詞抜きでも十分すぎるくらいキャラ立ってるな…


 893みたいなやり方で浅野や東田といったクソ野郎をジワジワ追い詰めていくワクワク感、そして追い詰められたことに気が付いた両者の反応から味わえるスカッと感(まさに「チェックメイト」って言葉がふさわしい)は、シンプルで分かりやすいエンタメとして滅茶苦茶読んでて楽しかった。


 一方でそんなシンプルさとは逆に中心となるのは「倒産した企業からの債権回収」という小難しさがとてもいいスパイスになってる。実は最初に二巻目(オレ達花の~)を読んでしまって、その時もこの小難しさが面白くもありちょっとしたハードルにもなっていたと記憶していたんだけど、一巻目はそんなこともなく純粋に「楽しめる小難しさ」だったように思う。
 特に大きいのが序盤の解説で、これが口の悪い半沢のモノローグによるユーモア込みでの解説ってのが結構でかい。お役所仕事的な手続きの面倒さが伝わってくるし、「スジのよくないお兄さん」なんて言いまわしでくすっと笑わせつつもこの解説が物語の構造を明確にしてくれるものだから、この解説が専門性高めのテーマでありつつも難しいようで難しくないっていうエンタメとして見事なバランスを作り出していたように思う。


 そんなシンプルな勧善懲悪の形を取っている本作だけど、敵の浅野については子煩悩なお父さんで投資に失敗しやむを得ず…という同情できるような同情できないようなといった立場なのも、物語の後味に深みを出しているように思う。
 極限状態にある人間による焦りと葛藤、単なる100%悪い人間ではなかったってところに人間性を感じるし、それを悪役としてボコボコにされて当然のラインを保ちつつも出しているってのが上手いことやってんな~と。こういうフックがあるかないかで読後感が結構変わってくると思うんですよね、単なる「あ~面白かった」で終わってしまうか、そうじゃないか。


 総じて、何度も書くけど「シンプルに面白いエンターテイメント小説」といったところ。間違いなく万人受けする一方で、社会人としてそれなりのポストにいる(大なり小なり会社のお金を管理する側)人ならもっと楽しめると思う。俺若手だけど…
 確か全部で4巻だっけ?3巻目読むのもありだし、他の池井戸潤作品あさってみるのも悪くない。うーん、どうしよう?